求められるスキルとは?
これらのスキルを磨こう
質問力
アセスメントに必要なスキルとしてまず挙げられるのが、質問力です。本人やその家族が抱えている問題点は、原因が明確ではないことが多いです。原因を究明するためには、こちらの興味や関心で質問するのではなく、知りたいことを明確にした上で本音を引き出さなければなりません。その際に必要なのが質問力です。具体的には、「答えやすい質問や答えたくなるような問いかけをする力」です。自由に回答できるオープンクエスチョンと、Yes/Noで答えられるクローズドクエスチョンを使い分けましょう。相手の考えをオープンクエスチョンで引き出し、整理できない部分をクローズドクエスチョンで明確にしていきます。例えば、「自宅で過ごしている中で気づいたことはありますか?」という質問をしたとします。どう答えればいいか迷われているようなら、「お部屋を移動する際に不安な点はありますか?」と聞き、「はい」と返ってくるようなら、「それはどういった部分ですか?」と質問します。また、話を引き出せない相手に対しては、いくつかの選択肢を示して答えやすくする方法もあります。「お掃除とお洗濯はどちらが大変ですか?」などと、回答を選べるようにすると相手も答えやすくなります。
情報収集力
その人らしさを理解するためには、情報収集力も必要です。1人ひとりが持つ個性を理解するためには、相手が生きてきた時代背景や生活環境などを想像しなければなりません。戦時中に生きた経験がある人なら、当時の環境を理解しておかなければ話が嚙み合わないでしょう。そうならないよう、事例検討会などに参加してあらゆるパターンを知っておく必要があります。自分だけでなく、他の事例に触れることで対応のバリエーションが増えます。
洞察力
本当のニーズを引き出すためには洞察力も求められます。利用者の言葉がニーズに直結しない可能性もあります。例えば、「食事は全て自炊しています」と答えられたとします。食事に関しては問題ないように思えますが、「調理器具は正しく使えているか」「賞味期限切れの食材を使っていないか」「食材を買いに行く時に危険はないのか」など、見えない部分にも注目してください。そうすることで、本人が気づいていないニーズが見えてくるかもしれません。
まとめ
以上が、アセスメントに必要なスキルです。画一的な質問をしていれば、アセスメントはすぐに終わるかもしれません。しかし、それでは本当に必要なケアは見えてこないでしょう。質問を工夫し、相手のことを理解しつつ、見えない部分まで考えを巡らせながら、質の高いアセスメントを実施してください。