介護におけるアセスメントとは?
実施する目的やモニタリングとの違い
そもそもアセスメントとは
アセスメントは、人や物事を客観的に評価・分析することです。介護現場においては、利用者が抱える心身の状態や要望を理解し、それに適したケアを行うことを目的に実施します。介護を必要とする高齢者の状態はそれぞれ異なります。介護度が同じだからといって、ケアの内容も同じなわけではありません。画一的なケアではなく、それぞれにとって最適な支援を実施することが自立度の向上につながります。身体機能だけではなく、その人が持つ価値観や考え方なども踏まえて評価しなければなりません。具体的には、利用者の心身の状態や周囲の環境、希望、悩みなどの情報を集めることになります。本人だけでなく、家族や主治医、担当看護師にもヒアリングを行います。これまでの生活歴など、より細かい情報を集めて分析をすることで質の高い介護を提供できるようになります。
モニタリングとは似て非なるもの
アセスメントと似たものとして、モニタリングがあります。混同されることもありますが、それぞれ異なる性質を持ちます。アセスメントの目的は、利用者の状態や要望を把握することです。介護サービスを提供する前に実施し、ケアプランの作成時に活用します。一方、モニタリングはケアプランの実施状況や改善点を推し量るために行います。アセスメントとは違い、介護サービスの提供を開始してから行う作業です。モニタリングによって、利用者やその家族の間に認識の相違がないかどうかを確認します。どちらもケアプランの作成や実施に関わる作業ですが、タイミングや目的が異なることを理解しておきましょう。なお、モニタリングは最低でも月に1度は行うことになっています。
アセスメントを基にケアプランを作成し、介護サービスを提供することになりますが、それが最適ではないケースも考えられます。どれだけ丁寧にアセスメントを実施していたとしても、人間同士のやり取りである以上、認識の相違が生じる可能性があることを考慮しておかなければなりません。利用者の状態や考え方が時間と共に変化することもあるでしょう。そのために行うのがモニタリングです。モニタリングの結果、ニーズと合っていないと判断された場合はケアプランを変更する必要があるでしょう。その際は、あらためてアセスメントを実施することになります。
アセスメントとモニタリングは質の高い介護を提供するために必須の作業です。どちらが欠けてもいけません。それぞれの内容をきちんと把握し、その都度最適な対応ができるように心がけましょう。